介護情報基盤の先にある未来とは?2027年以降を見据えた介護DXと経営判断

はじめに|介護情報基盤は「ゴール」ではない
ここまでの連載では、
- 第1回:介護情報基盤の制度背景
- 第2回:現場・業務への影響
- 第3回:介護請求ソフトとの関係
を解説してきました。
最終回となる第4回では、
介護情報基盤の「その先」に何があるのか、
そして 経営者はどのような判断をすべきかを整理します。
重要なのは、
介護情報基盤を「制度対応で終わらせない」ことです。
これは、これからの介護経営の土台づくりでもあります。
介護情報基盤はゴールではなくスタート
制度対応だけで終わる事業所の課題
介護情報基盤を
「国が言っているから仕方なく対応するもの」
と捉えてしまうと、次のような状況に陥りがちです。
- 最低限の対応だけで精一杯
- 現場の負担感が残る
- 次の制度変更で再び混乱
これは、短期視点の制度対応にとどまっている状態です。
「情報を活かす」フェーズへの移行
本来、介護情報基盤が目指しているのは、
- 情報を正しく集め
- 無理なく管理し
- 経営やサービス改善に活かす
という流れです。
つまり、
介護情報基盤は「データを活かすための入口」であり、
ここから介護DXは次の段階へ進んでいきます。

LIFE・医療・地域連携との広がり
科学的介護(LIFE)との関係性
今後の介護では、
「経験」だけでなく「データ」に基づくケアが重視されます。
LIFE(科学的介護情報システム)はその代表例であり、
- ケアの質の見える化
- 改善の根拠づくり
- 制度評価への反映
といった役割を担っています。
介護情報基盤は、
こうしたデータ活用を支える共通の基盤として機能します。

医療・多職種連携の将来像
将来的には、
- 医療
- 介護
- 看護
- リハビリ
といった多職種が、
必要な情報を安全に共有できる環境が求められます。
介護情報基盤は、
地域包括ケアを支えるデータ連携の土台ともいえます。

利用者・家族視点での価値
情報連携が進むことで、
- サービスの継続性
- 説明の分かりやすさ
- 安心感
といった、利用者・家族側の価値向上にもつながります。

事業所規模別に考える介護DX戦略
小規模事業所が取るべき現実的なDX
小規模事業所では、
- 人員が限られている
- IT担当者がいない
- 大きな投資は難しい
という事情があります。
そのため、
- 無理に最新技術を追わない
- 業務をシンプルに保つ
- 信頼できるシステムに任せる
といった現実的なDXが重要です。
多拠点・法人事業者に求められる視点
多拠点・法人展開している事業者では、
- 拠点ごとのやり方の違い
- 管理負担の増大
- 教育コストの増加
が課題になりがちです。
介護情報基盤をきっかけに、
- 業務の標準化
- データの一元管理
- 経営判断の迅速化
を進めることが、中長期的な競争力につながります。
人材不足時代の経営判断
今後、介護業界では
人材不足がさらに深刻化すると考えられます。
だからこそ、
- 人に依存しすぎない仕組み
- 教育負担を減らす運用
- 誰でも一定水準で回る業務
が、経営上の重要テーマになります。
今、経営者が決めるべきこと
2026年に決断すべき優先順位
経営者が今考えるべきなのは、
「何から着手するか」という優先順位です。
- 制度を正しく理解する
- 現場業務を把握する
- 将来に対応できる基盤を選ぶ
この順番を間違えないことが重要です。
請求ソフトをどう位置づけるか
介護情報基盤の時代において、
介護請求ソフトは単なる事務ツールではありません。
- 業務の起点
- 情報連携の要
- 経営判断を支える基盤
として位置づけることで、
将来の選択肢が広がります。
制度に振り回されない経営へ
制度はこれからも変わります。
そのたびに慌てるのではなく、
- 柔軟に対応できる体制
- 相談できるパートナー
- 継続的に使える仕組み
を持つことが、安定した経営につながります。
まとめ|介護情報基盤を「経営の力」に変える
- 介護情報基盤はDXのスタート地点
- 2027年以降は「活用」が問われる
- 請求ソフトは経営インフラ
制度対応で終わらせず、
介護情報基盤を「経営の力」に変える視点を持つことが、
これからの介護事業者に求められています。