重度訪問介護とは|重度障害者の在宅生活を支える総合的支援

目次
重度訪問介護の特徴
重度訪問介護は、重度の肢体不自由者、または重度の知的障害・精神障害により行動上著しい困難を有し、常時介護が必要な方を対象とした福祉サービスです。障害支援区分4以上で、二肢以上に麻痺がある方、または認定調査項目の歩行・移乗・排尿・排便のいずれも「支援が不要」以外に認定される方、もしくは行動関連項目の合計点数が10点以上の方が対象となります。
外出や移動中を含め、日常生活全般にわたる介護を総合的に提供し、住み慣れた地域での在宅生活継続を支援します。
主なサービス内容
- 身体介護:入浴、食事、更衣、排せつの介助
- 家事援助:調理、洗濯、掃除、買い物などの生活援助
- 移動介護:外出時の移動支援・介助
- その他:生活に関する相談、見守り支援
長時間利用を想定した制度で、1日24時間を8時間単位のヘルパーでカバーできる仕組みが整っています。
必要な資格
- 介護福祉士
- 重度訪問介護従事者研修修了者
- 強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)修了者
研修内容
重度訪問介護従事者研修
身体障害者向けの介護基礎(家事援助、身体介護、移動・外出中の介助、コミュニケーション支援など)を学びます。
強度行動障害支援者養成研修
知的・精神障害者の介護現場で必要な、行動障害(自傷、他害、集団行動困難など)に対する具体的な支援方法を学びます。
現状の課題
重度訪問介護は入浴や食事、外出支援をカバーしますが、通勤・就労に関する支援は制度対象外です。そのため、重度障害者が就労を希望しても、通勤・職場での介助は企業側の負担となり、雇用促進の妨げになっています。また、制度対象は18歳以上のため、重度障害児には適用されず、通学時は親の送迎や短時間サービスを組み合わせる必要があるなど、現場には多くの課題が残されています。
まとめ
重度訪問介護の対象拡大や制度の見直しが進めば、子どもを含む重度障害者が必要な支援を一元的に受けられるようになります。今後の制度改善に期待が寄せられています。
