【2026年に備える総点検レポート】請求ミスをゼロに近づける「内部監査チェックリスト」完全版

2025年の介護請求を振り返ると、返戻・指摘の傾向は
「記録漏れ」から「整合性不足」へ
大きく変化しました。
- 記録と計画書が一致しているか
- LIFE提出内容と記録が矛盾していないか
- モニタリングが形骸化していないか
- 加算要件を満たしている証跡が残っているか
- 提供票の変更が実績に反映されているか
- 医療系書類の期限切れがないか
- 職員配置が日別で要件を満たしているか
これらを一つでも欠くと返戻につながるため、
人の努力だけでは防ぎ切れません。
だからこそ2026年は内部監査を“仕組み”として導入することが必須です。
本記事では内部監査を
① なぜ必要か(背景)
② 何をチェックすべきか(監査項目)
③ どう運用するか(月次フロー)
④ どう改善したか(成功事例)
⑤ 2026年に必要な監査DX(将来像)
という体系で、わかりやすく解説します。
なぜ内部監査が必要なのか?(背景の体系化)
内部監査の必要性は2025年からの制度変化を踏まえると
6つの理由に整理できます。
審査が“整合性チェック方式”に移行した
2025年の審査は、
- 記録
- 計画書
- LIFE
- モニタリング
- 提供票
- 職員配置
を横断して照合する方式へ進化。
「部分最適」ではなく「全体最適」が求められるようになった。
LIFEの“提出内容の質”が評価の中心に
ADLだけでなく、
- 記録との一致
- 状態変化の反映
- 計画書へのフィードバック
まで審査対象。
提出すればいい時代は完全に終わりました。
加算要件が複雑化し、証跡管理が不可欠に
2025年からは、
- 入浴介助
- 個別機能訓練
- 口腔・栄養
- 科学的介護
- 福祉用具モニタ
- 研修
など、要件の細分化が進みました。
実地指導で求められる資料が増加
自治体は「計画と実績の一貫性」を重視するようになり、
提出要求資料が急増。
内部監査なしでは追いつけません。
記録・加算が“属人化”されている事業所が多い
ベテラン1人に依存すると、退職・異動で運用が崩れます。
内部監査は属人化のリスクヘッジとしても有効。
返戻が経営に直結する規模になった
返戻額は1件数千円〜数万円ですが、
月10〜30件発生すると経営に影響。
内部監査は“費用対効果の高い投資”です。
内部監査の内容を8つに体系化する
内部監査は「どこを見るか」を体系化しないと機能しません。
2026年に求められる監査は以下の8領域。
記録 × 計画書の整合性(最重要)
監査ポイント
- 計画書に沿った記録になっているか
- 目的→内容→結果が一貫しているか
- 曖昧表現(掃除しました、歩行しました)がないか
- 観察項目(皮膚・食事・移動など)が抜けていないか
NG事例(通所介護)
計画書「歩行訓練」
記録「レクリエーションに参加しました」
→ 訓練の根拠なしとして否認
LIFE提出 × 記録の整合性
監査ポイント
- ADL評価が記録と一致しているか
- 状態変化時に再評価が行われているか
- フィードバックをモニタリングに反映しているか
- 計画書 → 実施記録 → LIFEの時間軸が一致しているか
事例
ADL「歩行自立」なのに記録「常時介助」
→ LIFEの妥当性が疑われる精査対象
モニタリングの実施状況
モニタリングは返戻TOP3。
特に福祉用具と通所で指摘が多い。
監査ポイント
- 月次モニタが抜けていないか
- 臨時モニタが適切に作成されているか
- 電話確認も文字で記録されているか
- ケアマネへの連絡記録があるか
加算要件の証跡
加算は 「要件が満たされている証拠」がすべて。
加算別に必要な証跡
- 科学的介護:研修 × ADL × LIFE × フィードバック
- 機能訓練:訓練計画 × モニタ × 実施記録
- 入浴介助:可否判断 × バイタル × 観察記録
- 口腔・栄養:連携記録 × 状態観察
- 福祉用具:月次モニタ × 写真 × 計画更新
医療系書類(訪問看護)
監査ポイント
- 指示書の更新期限
- 医師への連絡手段の統一
- 褥瘡管理指導書の内容・記録一致
- 訪問内容の医学的妥当性
職員配置(通所・看護・訪問)
日別での配置要件未達が返戻につながる。
監査ポイント
- 看護職員の配置
- 訓練指導員の勤務実績
- 管理者の兼務状況
- 急なシフト変更の反映
研修記録
2025年返戻で急増したのが研修証跡不足。
監査ポイント
- 年間研修計画があるか
- 実施記録・資料・出席者名簿
- 科学的介護研修の有無
- 感染対策・記録研修・個別機能訓練
提供票(ケアプラン)との整合性
提供票の反映漏れが返戻原因の上位。
監査ポイント
- 提供票変更の即時反映
- 実績との突合
- ケアマネへの報告
- サービスコードの一致
月次内部監査フローを体系化する
内部監査は“やり方”が大切です。
以下は実際の成功事業所が採用している
標準化された月次フローです。
- 記録の具体性
- 計画書との整合性
- 曖昧表現の排除
- 状態変化の反映
- ADL評価
- 記録との一致
- フィードバック反映
- 再評価フローの確認
- 計画書の更新
- モニタリング
- 研修証跡
- 配置要件
- 訪問看護の指示書
- 勤務記録
- 配置基準
- 実際の配置とのズレ
- ケアマネ提出の変更反映
- サービスコードの一致
- 実績漏れ確認
- 問題点の抽出
- 修正の依頼
- 翌月の改善施策の設定
内部監査で返戻ゼロに近づいた“成功事例”
ここでは内部監査を導入した事業所の実例を紹介します。
事例①:訪問介護|生活援助の返戻が半年でゼロ
改善前
- 記録が抽象的
- 必要性の記載がない
- 提供票の反映漏れ
- モニタ形骸化
改善後
- “目的→内容→結果”の記録ルールを明文化
- 月次監査で生活援助を重点監査
- ケアマネ提供票の反映を毎月2回チェック
→ 返戻ゼロを6か月維持
事例②:通所介護|機能訓練加算が安定算定
改善前
- 訓練計画書が抽象的
- モニタリング内容が形骸化
- LIFEのデータと記録が一致しない
改善後
- 計画内容と実施記録を同期
- ADL評価のダブルチェック
- 月次内部監査で訓練を重点確認
→ 加算否認ゼロ
事例③:訪問看護|指示書期限管理の精度が向上
改善前
- 指示書の期限切れ
- 医師連絡が個人任せ
- 更新管理が曖昧
改善後
- 指示書一覧の作成
- 更新期限アラート
- 医師別の連絡ルールを統一
→ 期限切れによる返戻がゼロに
2026年に必要な“監査DX”の体系化
2026年は、内部監査も“紙と人の目”だけでは限界があります。
必要なのは以下の体系的DX。
① 記録と計画書の自動突合
曖昧表現や目的不一致を自動検出。
② ADL評価の揺れ検知
前月比で大きく揺れる部分を可視化。
③ モニタリングの未実施アラート
月次モニタの未入力を自動通知。
④ 医療系書類の期限アラート
訪看の返戻原因トップを自動管理。
⑤ ケアプランデータ連携の自動更新
提供票反映漏れを防ぐ。
⑥ 研修証跡の電子管理
研修資料の紛失防止・証跡の可視化。
まとめ:内部監査は“守り”ではなく“攻め”の経営戦略である
2026年の介護請求で最も重要なキーワードは
「整合性」
「証跡」
「仕組み」
内部監査は、返戻を防ぐためだけではありません。
- 記録の質が上がる
- 加算取得が安定する
- 実地指導に強くなる
- 職員の教育効率が上がる
- DXとの相性が良くなる
- 経営が安定する
内部監査は、2026年の介護事業運営の“基盤”です。
今から準備することで、
返戻ゼロに限りなく近づく運営が実現できます。