【加算を落とさない事業所の共通点】2025年の成功例から学ぶ2026年の勝ちパターン

2025年は、介護加算の取得が「難しくなった」と多くの事業所が感じた一年でした。
理由は明確で、科学的介護(LIFE)、計画書、実施記録、モニタリング、配置、研修など、
複数の要素が連動して要件を満たしているかどうか
が審査の中心になったからです。
その一方で、難易度が上がったにも関わらず、
加算算定率95%以上を安定して維持した事業所が存在します。
本記事では、そうした事業所の成功共通点を、
通所介護・訪問介護・訪問看護・福祉用具の横断事例を交えて、
2026年にそのまま活かせる“勝ちパターン”としてまとめます。
加算を落とさない事業所に共通する「5つの成功パターン」
2025年の成功事例を精査すると、
以下の5つがすべての事業所に共通していました。
記録が標準化されている(最重要ファクター)
成功事業所の最大の特徴は、
「誰が書いても同じ品質の記録になる」
仕組みが整っていたことです。
典型的な成功例(通所介護)
あるデイサービスでは、
記録文言の“揺れ”をなくすため、次の取り組みを実施。
- 文言テンプレートを整備
- 「目的」「根拠」「観察」「結果」の4項目を必ず書く
- 状態変化の定義を明文化
- 単語ではなく文章で記述するルールに統一
- チェックボックス化で漏れ防止
結果:誤記録が激減し、返戻率がゼロに近づいた。
記録標準化が加算取得に直結する理由
2025年の返戻要因の多くは、
- 記録の曖昧さ
- 計画書との不一致
- 個人によるばらつき
が背景にありました。
つまり、記録さえ安定すれば、8割の返戻リスクは回避できる ということです。
LIFE提出の“品質”を管理し、内部レビューを月次化している
2025年はLIFEが“提出すれば良い”段階を完全に超え、
「提出内容が妥当かどうか」が審査の中心になりました。
成功している事業所は例外なく、
LIFE提出の前に“内部監査”を行っていました。
成功例(通所リハビリ)
ある通所リハでは、以下のようにLIFEレビューを徹底。
- ADL評価は2名以上の職員が確認
- 状態変化があった利用者はその日に再評価
- バイタル・観察記録とADL値の整合性を照合
- フィードバックを必ず計画書へ反映
その結果、
科学的介護推進体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)を1年間一度も否認されず運用できた。
モニタリングを「形骸化させない」仕組みがある
モニタリングは実地指導で最も指摘される項目ですが、
成功事業所は“期日管理”を徹底していました。
成功例(福祉用具)
ある福祉用具専門相談員は、
モニタリングを確実に行うために、
- 月初に全利用者のモニタリング予定を作成
- 前月末までに利用者状態を確認し、必要なら臨時モニタ作成
- 電話内容も必ず3行以上で記録
- 写真記録で状態を残す
という運用を徹底。
結果:福祉用具計画書・モニタリングに関する指摘はゼロ。
加算要件を“一覧化”し、要件未達を自動的に防いでいる
2025年の加算要件は非常に細分化され、
“要件未達なのに算定してしまう”ミスが多発しました。
成功事業所は、
「加算 × 要件 × 必須書類」一覧を作成し、月次でチェック
していました。
成功例(訪問看護)
訪問看護ステーションでは、
- 査定リスクの高い加算を優先チェック
- 医療系書類の更新期限をスタッフ全員が共有
- 主治医への依頼進捗を共有ボードで管理
- 褥瘡管理指導書は担当看護師が2重チェック
を実施。
これにより、
医療系書類不備による返戻はゼロを達成。
内部監査を月次化し、属人化を排除している
成功している事業所ほど、
内部監査を“当たり前”の文化として定着させていました。
成功例(訪問介護)
ある訪問介護事業所では、
月次内部監査で以下をチェック。
- 記録内容と計画書の一致
- サービス提供地域の確認
- 生活援助の目的・内容の具体性
- 実施時間の妥当性
- 状態変化情報の反映
- ケアマネとの連携記録
これにより、生活援助の返戻がほぼゼロになり、
スタッフの記録品質も大幅に向上しました。
成功事業所の“現場での取り組み”をさらに詳しく紹介
ここからは、各サービスごとの成功事例を、
もう少し具体的に掘り下げていきます。
通所介護|「記録 × LIFE × 計画書」の同期化で加算安定
通所介護で加算取得に成功した事例では、
“3つの軸の同期化”が特徴的でした。
記録内容のテンプレート化
- 共通文言を整備
- 状態変化の定義明確化
- 機能訓練・入浴・個別記録のフォーマットを統一
これにより記録のブレがなくなり、
計画書との不一致が大幅に減少。
LIFEのADL評価の精度向上
通所はADL評価がブレやすいですが、成功事業所は、
- “評価基準の冊子”を作成
- スタッフ同士で評価練習
- 記録とADLの整合性を毎月確認
これによりLIFEと記録の齟齬が解消されました。
個別機能訓練加算の要件管理
成功事業所の特徴:
- 訓練計画書を毎月26日までに更新
- モニタリングを必ず月1回実施
- 計画⇄実施記録の関連性を毎月チェック
この仕組みにより、
1年間で加算否認は1件もなかった。
訪問介護|生活援助の“目的の可視化”が成功の鍵
訪問介護での成功事例では、
「生活援助の記録が圧倒的に具体的」
であることが共通していました。
成功例:記録の具体化
記録例:
- 「掃除しました」 → 返戻リスク高
- 「居室床の清掃(体調低下により転倒リスク増のため)」 → 返戻リスク低
成功した事業所では、
“状態 → 必要性 → 実施内容 → 結果”
の順で記録するルールを徹底。
訪問看護|医療系書類の期限管理を“チームで共有”
訪問看護は指示書の期限管理が最重要。
成功事業所では、
- 指示書一覧
- 主治医ごとの連絡ルール
- 更新期限アラート
を全職員が見える場所に共有。
これにより期限切れゼロを達成。
福祉用具|モニタリングの徹底による指摘ゼロ運用
福祉用具で成功した事例は、
モニタリングの「徹底度」が段違いでした。
- 月次モニタリングの固定化
- 電話内容も具体的に記録
- 写真で状態変化を保存
結果、指摘ゼロを達成。
2026年に備えるために必要な“再現可能な仕組み化”とは?
成功事業所の取り組みは、
ほぼすべて“再現可能”です。
必要なのは以下の5つ。
- テンプレートの統一
- 文言の統一
- 曖昧表現禁止
特にADL・フィードバック。
臨時モニタの反映。
- 要件
- チェックポイント
- 証跡
- 実施期限
返戻率を50%以上削減可能。
まとめ:成功事業所は「特別」ではなく「仕組みが強い」だけ
2025年に加算を落とさなかった事業所の共通点は、
特別なスタッフがいることではなく、
成功パターンが“仕組みとして存在していた”こと。
2026年に向けて、
あなたの事業所でも同じ仕組み化が実現できます。