「ケアプランデータ連携標準仕様V4.1」の システムベンダ試験実施済み

【2025年度を一足早く振り返る】請求DXが一気に進んだ「データ連携元年」

請求DXが一気に進んだ「データ連携元年」

2025年度は、介護業界における「データ活用」と「デジタル連携」が一気に進んだ年として記憶されるでしょう。とくにケアマネとのケアプランデータ連携が大きく進展し、計画書・提供票・実績データ・請求データが一本の線でつながったことが大きな転換点となりました。
行政による介護DX推進の流れとともに、請求ソフトや記録システムの進化が加速し、2025年度は“請求DX元年”ともいえる一年でした。本記事では、その背景と実際に起きた変化、業務改善にもたらした影響を総合的に振り返ります。

目次

ケアプランデータ連携が「日常業務の標準」になった

2024年〜2025年のDX政策の後押しにより、ケアプランデータ連携(B2Bデータ連携)が急速に普及しました。
これまでのように紙・FAX・PDFで提供票を送り合う運用は大幅に減少し、ケアマネとサービス事業所間のデータ交換が標準化しました。

CSV・PDFからAPI連携へ

2025年度の大きな特徴は、データ連携の手段が“ファイルの送受信”から“システム間のAPI連携”へ本格移行したことです。

  • 提供票データが自動で取り込まれる
  • 計画書変更がリアルタイムで通知される
  • 実績と計画を自動で照合

紙のやり取りやメール添付は大幅に減り、月末業務が劇的に効率化しました。

ケアマネ側のシステムもDX化が進行

2025年度は、ケアマネシステムの多くがデータ連携機能を標準搭載しました。

  • 予定提供表のデジタル出力
  • 記録アセスメントの構造化
  • モニタリングの標準化
  • サービスコードの自動補正

ケアマネ側がDX化したことで、事業所側の入力負担が大幅に軽減しています。

計画〜記録〜請求の整合性が“自動的に”確保される時代へ

提供票 → 実績 → 請求のデータが自動連携することで、
人手での入力作業やチェック作業が減り、“ヒューマンエラー”が大幅に減少しました。

2025年度を振り返ると、この変化が請求の正確性向上に大きく寄与しています。

月末請求の作業量が大幅に軽減した一年

ケアプランデータ連携が一般化したことで、
2025年度の月末請求業務は、過去と比べて大幅に負担が軽くなりました。

ダブル入力が消えた

これまで事業所が抱えていた主な負担は「二重入力」でした。

  • ケアマネから届くPDF/紙
  • それを基にシステムに手入力
  • 記録内容との突合

2025年度は、提供票データがシステムへ自動反映されるため、
「同じ内容を2回入力する」作業がほぼゼロに。

電話・FAXによる問い合わせの時間が激減

以前は提供票の記載漏れや変更の連絡を電話で行っていましたが、
2025年には、デジタル連携によって自動通知されるため、確認作業の手間が大幅に削減。

  • 月末の電話ラッシュ
  • 提供票の差し替え
  • 書類紛失

といった“アナログ業務あるある”が減っています。

レセプトチェックの自動化が一般化

請求ソフトや記録システムが進化し、

  • サービスコードの誤り
  • 記録と実績の不整合
  • 加算要件の未達
  • 計画と実績の差異

などが自動チェックされる仕組みが整いました。

その結果、2025年度は返戻率が前年と比べて改善した事業所が多数報告されています。

DX導入状況によって生産性格差がより明確化した

2025年度の特徴は「DX対応できた事業所」と「できなかった事業所」で生産性に大きな差が生まれたことです。

DX導入が進んだ事業所の特徴

  • 記録・請求・ケアプランのデータ連携
  • 月末処理が半分以下に
  • 返戻率が低下
  • 職員の記録時間が短縮
  • 計画書と記録の整合性が自然と担保

これらの事業所では、請求関連業務にかかる時間が40〜60%削減され、
本来注力すべき「ケアの質向上」に時間を割ける体制が整いました。

DXが遅れた事業所の特徴

  • 紙・エクセル中心の提供票管理
  • 記録と請求システムが連動していない
  • 入力ミスの多発
  • 記録のばらつき
  • 月末の残業増加

結果として、
返戻や算定漏れが続き、経営面で不安定さが目立つ一年となりました。

2026年度へ向けた戦略:「データ連携の常態化」がスタンダードとなる

2025年度を振り返ると、経営者が2026年度に向けて準備すべきポイントは非常に明確です。

提供票〜実績〜請求の一元化を徹底する

  • ケアマネ連携ツールの導入
  • 記録システム・請求ソフトの統合
  • 計画書の更新が自動反映される体制

データが一元化されることで、返戻リスクは大幅に減少します。

加算要件を自動チェックできるシステムの導入

2025年度の加算否認理由の多くは以下でした。

  • 研修記録の不足
  • 職員配置の不備
  • LIFE提出の揺れ
  • モニタリング未実施

これらはシステムの自動チェック機能で大部分が防げます。

記録業務の標準化(テンプレート管理)

  • 言語の統一
  • 手順の統一
  • 記録項目の自動生成
  • 新人教育コスト削減

標準化はDXを最大限活かすための必須要素です。

DXを前提とした業務フローの見直し

従来の紙ベースの前提を捨て、
「データが自動で流れる業務」を前提にフローを再設計することが重要です。

結論:2025年度は“請求DXが進み業務が変わった年”

2025年度は、ケアプランデータ連携が普及し、
計画 → 実績 → 記録 → LIFE → 請求
の流れが一本に統合された歴史的な転換点でした。

その結果、

  • 月末請求の負担軽減
  • 誤請求の減少
  • 加算算定の安定化
  • 職員の業務負担軽減
  • 記録の統一化

といった“目に見える成果”が多くの事業所で生まれました。

一方で、DX導入が進んでいない事業所は、アナログ業務による負担や返戻が続き、
デジタル格差(業務生産性格差)が明確に表れた一年となりました。

2026年度に向けて、データ連携と請求DXは“選択”ではなく“前提”となります。
いま準備を進めることが、加算算定の安定性、業務効率、職員定着にも直結します。

請求DXが一気に進んだ「データ連携元年」

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